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予定利率引下げ
予定利率引下げって?

生命保険会社が契約者に約束した「予定利率(運用利回り)」を反故にしてもいいルール。予定利率が引き下げられると、保険金額が削減されるか保険料が値上げされる。保険会社の経営を圧迫している一番の原因が、バブル時代に高利回りを約束して販売した数々の保険商品だといわれているため、今の運用実態に合った利回りに強制的に変更しますよというもの。予定利率は、バブル絶頂期には年6%台だったものが、現在の契約だと1.5% 。

保険会社が勝手に「予定利率を引き下げ」てもいいの?
保険業法が改正されない限り、経営破たん前に予定利率を変更することはできない。でも、昔は可能だった。1996年に、憲法が保障する「財産権の侵害」に当たるとして破たん前の予定利率変更を可能とする項目がを削除された。それなのに今回、財産権の侵害として削除された条項を復活させようとしている。

何度も何度も「破たん前予定利率引き下げ」論は俎上に登る
2000年の終わりくらいから自民党内で「引き下げ論」が強まる。相次ぐ保険会社の経営危機に直面してのこと。2001年6月には金融審議会が予定利率引き下げを容認する中間報告を発表し、8月末までに一般の意見を募ることとなった。そこで出されたのが、生保協会の慎重な対応を求める意見書。結局、9月には審議の継続を断念。

そして2003年、竹中大臣の下、深刻化する「逆ざや」問題の中で再浮上してきた。 今度こそ本当に成立しそう・・・。


話は変わるけど、日本の金融機関は運用が下手 !!
保険会社は小口で集めたお客さんの保険料をまとめて、いろんなところに投資しているため、巨大投資家と言われている。しかし、ヨーロッパのように他国と隣接している地域とは異なり、日本には国際投資という経験がまだ新しいためノウハウも経験も乏しく、そもそも大きな資金を動かす割には投資下手との評判が海外ではある。実際、資金運用の担当者も巨大企業の一部の部署に組み込まれた一社員に過ぎないため、精神的にも運用の対象を選択する場合には限界があるのはしょうがない。これは、人事制度の問題。

話は変わるけど、契約の切り替えが思うように進まない !!
今のような景気状態だと高利回りの運用はできず、過去の契約を維持すれば維持するほど収支バランスが逆転し、「逆ザヤ」現象に見舞われている。そのため、新しい低利回りの保険商品や利回り変動型の商品を出して契約の切り替えに躍起となっているが、顧客立場からものを考える「FP(ファイナンシャルプランナー)」が最近増えてきたこともあって、なかなか思うように進まないでいる。(最近でも多くいるけど、従来のFPといえば、保険宣伝員の仮の姿で、雑誌などで保険の新商品を推奨してくれる保険会社にとっての強力な味方だった。)

話は変わるけど、人件費の削減が先だろ !!
保険会社の社員の給料は総じて高い。でも、本気でそれを問題視する声は内部からは当然のごとく上がってこない。これは経営者の意識の問題。

やっぱり、保険会社の経営陣は中小企業の経営者みたいに会社の債務の連帯保証人になっているわけでもなく、銀行に借金の棒引きをさせたり、国に無償で資金援助してもらったりできる立場だから、甘いのか?

契約内容を変更して損切りする前に、役員・従業員の給料を法定賃金のぎりぎりまで落として、退職金だって中小企業並みまで下げて、それでもまだムリだからってことになれば、契約者だって納得できると思う。

なぜ、契約者を犠牲にする !!
運用以上の利回りを保証する商品なんて、やっぱり間違っているもの。保険金が削減されても、保険会社が潰れるよりはマシでしょ、っていう感覚が保険会社にはあるのかも。

国はなぜ、これを進めようとする?!
保険会社が潰れちゃうと、その保険会社にいっぱいお金を出している「銀行」までも潰れちゃうから、だったら保険契約者の皆さんの方を犠牲にするほうがまだましだ。総選挙も終わったことだし、国益を考えると銀行を守るほうが大切だもの。

仕組みは・・・?!
もう潰れそうだと自主判断した生保会社が政府に申請後、総代会(相互会社の場合)や株主総会(株式会社の場合)の3/4以上の賛成を経る。その後当局の承認を待って、2週間以内に公告。
さらに、保険金削減などの対象となる契約者に「異議申し立て期間(1ヶ月超)」を提供し、契約者と契約額で10%超の反対があれば取り下げしなければならない。となると、その保険会社はたぶん潰れる。

どの時点で潰れそうだと判断するの・・・?!
保険業法改正案では「保険業の継続が困難となる蓋然性がある」保険会社が申請するとなっているが、与野党から「あいまいすぎる」と批判が出ていた。そのため、6月6日合理的に判断できる指針(ガイドライン)作りに乗り出すと、竹中経済財政・金融担当大臣が衆院財務金融委員会は述べた。

私たちはどうやって保険を考えればいいの・・・?!
2003年6月10日の「衆院財務金融委員会」での採決の前に、小泉首相は「生保会社は契約を取る前に十分に説明しないといけなくなるし、国民がどの生保を選ぶか一段と厳しい目を持つようになる」と述べた。
しかしながら、金融庁内では「国民に対する情報開示は必要だが、あまり開示しすぎると風評被害が拡大して解約に拍車がかかるなど経営建て直しに支障が起きる可能性もある」との見解もある。まだそんなこと言ってるようじゃ、国民に自己責任なんて求められるわけ無いじゃないか!!

予定利率引き下げの申請後解約できる・・・?!
政府は「解約の停止命令」を出すので、手続きが終了するまでは解約ができなくなる。もし、解約の手続きを受け付けたら、個人には300万円以下の罰金か2年以下の懲役、保険会社は3億円以下の罰金って、そんな大金、潰れそうな保険会社のどこにある。

予定利率引き下げをした保険会社への責任追及は・・・?!
この保険業法改正案では、経営陣が経営責任の取り方などを自主判断した上で、その考え方を明示した書類を契約者などに送付するよう義務付けたのみ。

一番気になる保険契約者への影響は・・・?!
金融庁は当面、引き下げても予定利率3%は維持せよ(政令で定める)との方針なので、もともと3%を下回る予定利率で契約した1996年4月以降の契約者にはとりあえず関係ない。破綻しちゃうと予定利率が3%未満になる可能性は高いけど。
でも、それ以前に契約した人は、あきらめるしかありません。会社をつぶすか削減で泣くかはあなた方にかかっています。削減で泣いても、その後に保険会社が潰れる可能性も十分にあり得るけど。

ちなみに、大手生保だと古い契約が多いから、その契約者の大部分が対象となるそうな。養老保険や終身保険、長期の定期保険などの貯蓄性がある商品に加入している人の減額幅は大きく、金融庁がシュミレーションを発表している。1998年に30歳で加入した保険金100万円の契約で、(予定利率5.50%の終身保険が3%に引き下げられると保険金は62万円に減額される。それが養老保険だと79万円、定期保険は92万円となる。


格付けについて
■フィッチ・レーティングス
国際的格付会社のフィッチ・レーティングスは6月5日、破たん前に予定利率の引下げを行った生保会社の財務力格付けを「債務不履行(=D領域)」とする見解を発表した。これは、
信用格付の観点からすれば明らかに契約の不履行であり、デフォルトを意味するものであるとの判断から。

■スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)
国際格付け会社のS&Pは6月11日、破たん前の予定利率の引き下げを決定した生保会社を契約上の債務不履行と見なし、財務力格付けを「R(規制当局の管理下にある)」に、カウンターパーティ格付けを「D(債務不履行)」または「SD(選択的債務不履行)」に変更するとの見解を発表した。



by 昭良坊主
昭良坊主は予定利率引下げの動きには反対ではないのですが、それは本当の意味での最終手段で活用するべきもので、もっともっと手前の段階で、一般の中小企業の経営者がやるような本気の経営努力を行ってから活用できるようにしてもらいたいもんだと思っています。そのため、かなり冷ややかな目で見ていますので、左に書いている文章は大手「保険会社に勤務する人」は読むと腹が立つと思います。右側の行だけ読むことをお勧めします。

<今後>
参院の審議・可決 → 6月下旬?成立 → 政令策定 → 7月下旬?施行

<2003年 現在までの軌跡>
06月12日: 
■「衆院本会議」で予定利率引下げを可決
 

06月10日: 
■「衆院財務金融委員会」で予定利率引下げを可決
 

06月04日: 
■生保協会長が参考人招致で予定利率引下げを承認

■ 衆院財務金融委員会に生保協会会長の横山氏(住友生命社長)らが参考人として招致された。生保業界内では契約者の解約増加を恐れ導入には消極的だったが、株価低迷と逆ザヤの解消が進まない生保業界にとって、この選択肢を拒否する度胸はいまや無い。せめてもの抵抗に、制度ができても使うことがないよう経営努力を重ねることが大事だと述べた。 


05月23日: 
予定利率引き下げ「閣議」決定
   →これを受けて金融庁は生保会社の経営を監視する「早期警戒制度」を強化する方針を固めた。

「早期警戒制度」・・・
生保会社の経営状況を監視し、深刻な状況にあると判断したときには「非公表で」業務改善命令を発動するというもの。2002年秋に金融庁が示した「金融再生プログラム」で、経営の悪化している大手銀行に合併やリストラなどを提案するために導入されたもの。

「早期是正措置」との関係・・・
「早期是正措置」がソルベンシーマージン比率200%割れを基準に発動するのに対し、、その前段階でも業務改善命令を発動できる仕組み。風評を恐れる生保側から言ってこないだろう「予定利率引下げ」を金融庁側から促すことができる。

05月20日: 
■「自民党総務会」で予定利率引下げの業法改正案を了承
   

05月20日: 
■「自民党財務金融部会」などの合同部会で予定利率引下げの業法改正案を正式に了承
 

05月19日: 
■金融庁が作成した保険業法改正案の全容が明らかに
 
■ 「解約業務停止命令」に違反した場合は「生保経営者や従業員ら個人には2年以下の懲役か300万円以下の罰金、法人には3億円以下の罰金刑」

■ 保険調査人(利率の引き下げが妥当か調査する政府選任の調査員)に虚偽の報告をした役員には「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」

■ 保険調査人が収賄で転んだときには「5年以下の懲役または500万円以下の罰金」

■ 予定利率の引き下げで責任準備金の取り崩しを禁じ、利率の下限は「政令で定める率を下回ってはならない」と明記した。

05月15日: 
■金融庁が「要網修正案」を提出、「自民党財務金融部会」などの合同部会で大筋了承
 
■ 了承の条件に、引き下げ認可の際の「判断基準」のガイドラインを新たに策定するよう要求

■ 予定利率引下げを申請した生保会社の経営陣に、経営責任の取り方を表明させそれを保険契約者に送付するよう義務付けることを「要綱修正案」に盛り込んだ。自民党からの、「役員総辞職を盛り込むべきだ」との不満の声に配慮したもの。

■ 将来収益が好転した場合、利率を引き下げた契約者に優先的に配当して利益を還元する制度も修正案に盛り込んだ。

05月12日: 
■「金融審議会第二部会」で協議開始
 
■ 金融庁による審議開始の求めに応じた。

■■統一地方選挙■■  

02月21日: 
■竹中大臣が3月中旬の法案提出先送りを発表
 
■ 竹中経済財政・金融担当大臣は閣議後の記者会見で、来月14日の法案提出期限までに与党の了承を得ることが困難となり、法案提出を先送りせざるを得なくなったことを表明。

02月18日: 
■ 与党3党が国会提出の先送りを決定
 
■ 与党3党(自民、公明、保守)は国会への「予定利率引下げ」の法案提出を先送りすると発表。統一地方選挙前に国民のの支持率低下を及ぼすことを懸念したため。

02月13日: 
■金融庁の保険業法改正案骨子が「自民党保険問題小委員会幹部会」で大筋了承
 
■ 政府・自民党は、小委員会と金融問題調査会、財務金融部会の合同部会での議論を進める。金融庁は来月14日の法案提出期限までに法制化の準備を進める。

01月23日: 
■金融庁が通常国会に「破たん前予定利率引下げ」を提出する方針を表明
  
■ 金融庁は自民党の保険問題小委員会において、「予定利率引下げ」を通常国会に提出する方針を示す。 自民党も、3月上旬の通常国会への法案提出を目指し協議の開始を約束。



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